2018/01/09

こんなことをすると、相続する権利を失います。 – 相続欠格事由 –

 

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石川宗徳
埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
得意分野は会社法と相続。会社の相続もご相談ください。
趣味はフットサル(走れない)と将棋(弱い)
好きな食べ物は牡蠣とワッフル(セブン&アイ)
東武動物公園に稀に出没する。
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人が亡くなると、その人が所有していた財産に関する権利義務は相続人が承継します。

誰が相続人となるかは法律で定められており、これら相続人のことを法定相続人といいます。

しかし、親を脅迫して自分に有利な遺言を書かせたような相続人に、その財産を相続させるのは好ましくないかもしれません。

このページでは、法定相続人が相続権を失うことになる相続欠格事由について紹介しています。

相続欠格事由

法定相続人が、一定の行為をしたときは、相続人となる権利を失うことが定められています(民法第891条)。

一定の行為とは、次のような行為のことをいいます。

 

故意による生命の侵害

相続人が故意に被相続人を殺害した、あるいはしようとして、刑に処せられたときは、相続人となることができません。

殺人罪や殺人未遂で、刑に処せられたようなケースが該当します。

「故意に」とあるので、過失致死では相続欠格に該当しません。

また、被相続人に対する殺人等だけではなく、先順位・同順位の相続人に対するものであっても相続欠格事由に該当します。

(相続人の欠格事由)
民法第891条1号

次に掲げる者は、相続人となることができない。
一  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

 

被相続人の殺害されたことを知っていて告発しない

被相続人が何者かに殺害されたときに、相続人がその犯人を知っているのにも関わらず告発あるいは告訴をしなかった場合は、当該相続人は相続欠格事由に該当します。

もちろん犯人を知らなければ該当せず、また知っていても当該相続人が幼児であったり重度の認知症等であったときは、「是非の弁別」がない者として対象外となる可能性があります。

また、殺害者を知っているけれども、殺害者が自分の配偶者直系血族である場合は、相続欠格事由に該当しません。

(相続人の欠格事由)
民法第891条2号

次に掲げる者は、相続人となることができない。
二  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

 

詐欺や脅迫をして遺言の作成、変更等を妨げる

詐欺脅迫という手段を用いて、被相続人が遺言をすることを妨げた相続人は、相続欠格事由に該当します。

また、詐欺や脅迫という手段を用いて、既に遺言をしている被相続人が、その遺言を撤回することや変更することを妨げた相続人も同様です。

(相続人の欠格事由)
民法第891条3号

次に掲げる者は、相続人となることができない。
三  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者

 

詐欺や脅迫をして遺言の作成、変更等をさせる

詐欺脅迫という手段を用いて、被相続人に新しく遺言をさせた相続人は、相続欠格事由に該当します。

また、詐欺や脅迫という手段を用いて、既に遺言をしている被相続人に対して、その遺言を撤回させたり、変更させた相続人も同様です。

(相続人の欠格事由)
民法第891条4号

次に掲げる者は、相続人となることができない。
四  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

 

遺言書を偽造する、捨てる、隠す

遺言書を偽造する、書き換える、捨ててしまう、隠してしまう等をした相続人は、相続欠格事由に該当します。

なお、不当な利益の要件については次項をご確認ください。

(相続人の欠格事由)
民法第891条5号

次に掲げる者は、相続人となることができない。
五  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

 

不当な利益を得る目的

上記遺言書を偽造する等をした相続人が、相続欠格事由に該当するかどうかは、当該相続人が不当な利益を得ることを目的としていたかどうかによる、という最高裁の判決があります(最高裁平成9年1月28日判決)。

 

相続欠格事由に該当した場合

相続欠格事由に該当した場合、当該相続人は当然に相続する権利を失うことになります。

「当然に」とは、相続権を喪失させるために、家庭裁判所や市区町村役場等の特別な手続が一切不要ということです。

なお、被相続人銀行口座の解約や相続登記には、相続人が相続欠格事由に該当することを証明しなければなりません。

相続欠格事由に該当することを証明する書類について銀行や法務局担当者、専門家に確認してみましょう。

 

代襲相続は発生する

相続欠格事由に該当し、相続する権利が無くなってしまった相続人に子がいるときは、当該子が親に代わり、相続する権利を得ることになります。

相続放棄と異なり、相続欠格事由では代襲相続が発生します。

なお、被相続人の兄弟姉妹の子(被相続人の甥や姪)は代襲相続人となりますが、兄弟姉妹の孫は代襲相続人とはなりませんのでご注意ください。

 

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埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
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