2018/01/12

妻に全財産を相続させるという遺言。妻が先に亡くなったら財産はどうなる?

 

この記事を書いている人 - WRITER -
石川宗徳
埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
得意分野は会社法と相続。会社の相続もご相談ください。
趣味はフットサル(走れない)と将棋(弱い)
好きな食べ物は牡蠣とワッフル(セブン&アイ)
東武動物公園に稀に出没する。
詳しいプロフィールはこちら

妻に、長男に、長女に、お世話になったあの人に、財産を相続させる(遺贈する)という遺言をのこしたときに、当該受遺者が遺言者よりも先に亡くなったら、その財産は誰が承継するのでしょうか。

このページでは、遺言者よりも先に受遺者が亡くなったときの遺産の行方について紹介しています。

受遺者が先に亡くなったときの遺産の行方

遺言により、遺言者の財産を承継すると指定された人のことを受遺者といいます。

遺言者よりも受遺者の方が先に亡くなったとき、受遺者が承継する予定だった遺言者の財産はどうなるでしょうか。

 

受遺者の死亡により、その部分は無効へ

遺言者よりも受遺者の方が先に亡くなったときは、遺言の当該部分につき、遺言は無効となります。

(受遺者の死亡による遺贈の失効)
民法第994条1項

遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない

受遺者の相続人へは相続されない

遺言の当該部分が無効となるということは、田中一郎さんが親族関係にない鈴木一雄に自宅を遺贈するという遺言をのこしていた場合、鈴木一郎さん(受遺者)が田中一郎さん(遺言者)よりも先に亡くなってしまうと、田中一郎さんの自宅を、鈴木一雄さんの法定相続人が承継するということにはなりません

遺言者と受遺者が同時に死亡したとき

遺言者と受遺者が同時に亡くなったときも、受遺者が遺言者よりも先に亡くなったときと結果に変わりはありません。

遺言のうち、同時に亡くなった受遺者にかかる部分については無効となります。

遺言全てが無効になるとは限らない

遺言者よりも受遺者の方が先に亡くなった場合でも、無効となるのは当該受遺者にかかる部分についてのみです。

遺言全体が無効となるわけではありません。

しかし、財産の全てを一人の受遺者に相続させる(遺贈する)という遺言であったときは、その遺言(の全体)は効力を生じないことになります。

受遺者が先に死亡したときの対応

それでは受遺者が先に亡くなったことが分かったときは、遺言者はどのような対応をすることができるでしょうか。

 

何もしない

何もしなかったときは、受遺者に承継する予定だった財産は、遺言者の法定相続人が相続することになります。

 

贈与する

遺言者が受遺者に相続させる(遺贈する)予定だった財産を、誰かに贈与したり売却することもできます。

なお、受遺者が亡くなる前であっても、遺言に記載した財産を誰かに贈与等することも可能であり、遺言の内容と異なる財産の処分をしたときは、当該遺言の効力は生じません(遺言者の生前の行為が優先されます)。

 

遺言を再度作成する

遺言者が受遺者に相続させる(遺贈する)予定だった財産を、誰かに相続させる(遺贈する)内容の遺言を改めて作ることもできます。

なお、受遺者が亡くなる前であっても、遺言に記載した財産を誰かに相続させる(遺贈する)内容の遺言を作ることも可能であり、その場合は後に書かれた遺言の内容が優先されます。

 

予備的遺言

相続人や受遺者が、遺言者よりも先に亡くなることを想定して、予備的な内容を記載することもできます。

例えば、鈴木一雄(受遺者)が遺言者の死亡以前に死亡したときは、その財産を新井花子に遺贈する、というような記載となります。

予備的な記載をしておくと、受遺者が先に亡くなったときは、予備的に指定された受遺者(新井花子)が財産を承継することになります。

 

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埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
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