2018/01/13

不動産を相続したら、名義変更をするべきたった1つの理由

 

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石川宗徳
埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
得意分野は会社法と相続。会社の相続もご相談ください。
趣味はフットサル(走れない)と将棋(弱い)
好きな食べ物は牡蠣とワッフル(セブン&アイ)
東武動物公園に稀に出没する。
詳しいプロフィールはこちら

不動産を相続したら、名義変更が必要だということを知っていますか?

ここでいう「必要」というのは「法律上、必ずしなければならない」という意味ではありません。

というのも、名義変更をしなくても罰則規定が無いからです。しかし、名義変更は必ずしておいた方がいいでしょう。

このページでは、相続した不動産の名義は変更しておいた方がいい理由を紹介しています。

相続登記の必要性

各不動産には、基本的にはそれに対応した登記簿が存在しています。登記簿にはその不動産の所在や面積等のほか、その不動産の所有者や担保関係が記載されています。

登記簿に所有者として記載されている名義人を、被相続人(亡くなった人)から不動産を相続した相続人へと変更する名義変更手続を「相続登記」といいます。

 

相続登記をした方が良い理由

相続税の申告等と異なり、相続登記にはいつまでにしなければならないという法律上の決まりはありません。

さらに相続登記にはお金がかかります。専門家に依頼せずに自分で全て行う場合でも、登録免許税(不動産の評価額の1000分の4)は必ずかかります。

それでも相続登記をした方が良い理由、それは「権利の保全」です。

ここでいう権利の保全とは、相続した不動産が自分のものであることを、誰にでも証明できる状態にしておくことをいいます。

何故、権利の保全が重要なのでしょうか。

①将来の紛争の回避

相続人がABCと3名いたとします。3名で話し合いをした結果、被相続人の不動産はAさんが取得することになりました。

ここで、遺産分割協議書等を作成してAさん名義とする相続登記をしておけばAさんは自分が不動産の所有者であることを誰に対しても主張をすることができます。

それでは相続登記を怠っていた場合はどうでしょうか。

後でお金に困ったBさんが、そんな話し合いはしていないと言い出す可能性はゼロではありません。

Cさんが死亡し、Cさんの相続人が父(Cさん)がそんな話し合いをしたとは聞いていないと言い出す可能性もゼロではありません。

ハンコ代を請求されることもある

相続登記には遺産分割協議書が必要となり、遺産分割協議書には相続人の実印での押印と印鑑証明書が必要です。

遺産分割協議書に押印をもらうために、お金(ハンコ代=ハンコを押してもらう代わりに支払う費用)を要求されるケースもあります。

②後で相続登記が必要になる可能性

不動産を売却するとき、あるいは抵当権等の担保を設定するときは、相続人名義になっていなければなりません。

そのため、相続登記はいつかすることになる可能性は低くはありません。

先祖代々この土地は守っていくというケースでも、相続人は将来的には増えていく一方なので、その都度相続登記をしておかないと、将来の相続人同士が土地をめぐって争うことになり、土地を手放す(売却する)ことになってしまうかもしれません。

時間が経てば経つほど手続が面倒になる

相続登記には、基本的には相続人全員が参加した遺産分割協議書が必要です。

不動産所有者の子同士では話し合いがまとまっていたとしても、子の子や孫同士が仲が良いとは限りません。時間が経てば経つほど関係者が増え、縁が遠くなればなるほど話し合いがまとまりにくくなるのではないでしょうか。

また、相続登記には戸籍等多くの書類を用意しなければなりません。年数が経つと取得できなくなってしまう書類もあります。

これらにより、年数が経てば経つほど、相続登記の手続が複雑で手間のかかるものとなってしまいます。

③権利を主張するのに裁判となることも

相続人がどこにいるか分からない、遺産分割協議書に印鑑を押さない等により、相続登記ができないケースもあります。

そのようなケースでは、裁判によって解決を図るという方法が考えられます。

④他の相続人が勝手に売却

相続人は、法定相続分に応じた持分であれば、単独で相続人全員分の相続登記を行うことができます。

上記の例では「持分3分の1 A、持分3分の1 B、持分3分の1 C」という相続登記を、Bが単独で行うことができます。

加えて、Bが自分の持分を、第三者に売却することもできてしまいます(遺産分割協議が正式に成立していたのであれば、事実と異なる相続登記をした上に、他人の物を売ったことになり違法です)。

⑤他の相続人に対する差押え

Cの債権者からすると、被相続人名義のままとなっている不動産は、Cにも相続分があるように見えます。

上記の例で、条件はありますが「持分3分の1 A、持分3分の1 B、持分3分の1 C」という相続登記を、Cの債権者が単独で行うことができます。

加えて、Cの債権者はCの持分に対して差押えをすることもできてしまいます。

 

相続登記をしよう

相続登記をしないことのリスクは上記のとおりです。

相続登記をしておこうと思った方、少々大変ですが相続登記は自分で行うこともできます。

 

自分で行う

相続登記を自分で行いたい人は、次の記事をご参照ください。

 

司法書士に依頼する

司法書士は登記の専門家です。

司法書士に手続の依頼をすれば戸籍等の収集や遺産分割協議書の作成をしてくれるので、相続人は印鑑証明書を準備して、遺産分割協議書に実印を押すくらいの手間で済みます。

ただし、自分で全て行う場合に比べて司法書士への報酬が別途発生します。

行政書士には依頼できません

なお、行政書士は登記手続を代理して行うことができません。行政書士が登記手続を代理すると違法となってしまいます。

 

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埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
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