2018/05/03

相続対策として、生命保険信託という選択肢を知っておく

 

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石川宗徳
埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
得意分野は会社法と相続。会社の相続もご相談ください。
趣味はフットサル(走れない)と将棋(弱い)
好きな食べ物は牡蠣とワッフル(セブン&アイ)
東武動物公園に稀に出没する。
詳しいプロフィールはこちら

家族信託という言葉を、相続に関わる専門家の間ではよく聞くようになりました。

家族信託は、あくまで信託の一種の呼び方で、信託は色々なものに応用することが可能です。

一部の生命保険会社では、生命保険信託という商品も用意してあるようです。

このページでは、生命保険信託と生命保険信託が使えるであろうケースについて紹介しています。

生命保険信託とは

生命保険信託とは、生命保険の保険金請求権を信託財産として、保険契約者が委託者、生命保険会社の関連会社(信託会社)が受託者、実際に財産を残したい相手を受益者とする信託契約のことをいいます。

生命保険信託を利用すると、信託を用いない生命保険と比べて保険金の渡し方に柔軟性を持たせることが可能となります。
 

信託を簡単に説明すると

生命保険信託は、生命保険金請求権を信託財産とする信託契約です。

信託とは、委託者が所有する財産(信託財産)を、受託者に預けて、その利益を受益者が受け取るという仕組みです。

あくまで一例ではありますが、委託者が自分の財産である現金100円を受託者に預けて、毎月10円ずつ、計10回受益者へ譲渡するというのも(信託契約を締結すれば)信託といえます。
 

通常の生命保険との違い

いわゆる一般的な生命保険では保険契約に従い、被保険者が亡くなった後に保険会社が受取人へ保険金を一括で渡すことになります。

生命保険信託は、保険契約及び信託契約に従い、保険金を毎月1回、あるいは1年に1回と分割して渡すことができる点に特徴があります(一括で渡すこともできるようです)。

加えて受益者につき、第二受益者、第三受益者、残余財産を受け取る人を定めることもできますので、まずAへ毎月10万円ずつ交付し、Aが亡くなった後(まだ保険金が残っていれば)Bへ毎月5万円ずつ交付し、Bも亡くなったら残っている保険金は全てCが取得するというような設計をすることも可能となります。
 

慈善団体等へ寄付

一般的な生命保険においては、原則として受取人につき配偶者または二親等以内までの親族と制限されています。

生命保険信託を利用すれば、慈善団体等の第三者を受益者として指定することもできるようです。
 

家族信託を利用した場合との違い

家族信託は、受託者が委託者の親族等の身内となるところに特徴があります。

キャッシュを信託財産して、委託者の死後に受託者が、受益者のために毎月定額のキャッシュを交付することで、生命保険信託と似たようなことをすることができそうです。

しかし、家族信託においては受託者を探す点が難しいとされているところ、保険会社の関連会社(信託会社)が受託者となってくれる点は、受託者を探さなくても良くなるため利用しやすいかもしれません。

また、キャッシュを信託財産とした場合は、運用等をしない限り生命保険のように運用されることはありませんし、キャッシュそのものの額以上の保障が得られるわけではありません。

加えて、生命保険の非課税枠の利用ができるかできないかという点でも異なります。
 

生命保険信託が活用できるケース

生命保険信託の特徴を活かせるのは大きく分けて、次の3つではないでしょうか。

  1. 保険金を分割して渡すことができる。
  2. その次の受取人」を決めることができる。
  3. 受取人を親族という枠に縛られない。

 

保険金を分割して渡す

保険金の受取人が保険金を管理することが難しいようなケースでは、保険金を分割して渡すこともメリットになることがあります。

保険金の受取人が、未成年者、浪費家、高齢の方、障がい者のような場合は、この特徴を活かすことができるかもしれません。
 

「その次の受取人」を決める

兄弟がABCといて、Aに障がいがありBがAの世話をしているようなケースがあったとします。

保険金をまずAに毎月10万円渡し、Aが亡くなった後はAの世話をしているBに残金を全て一括で渡したいというニーズがあった場合、生命保険信託を活用することができるかもしれません。
 

受取人を親族という枠に縛られない

前述のとおり、生命保険信託であれば受取人を親族等に縛られず、第三者を受取人とすることもできるとされています。
 

必要なときだけ、選択すればいい

上記のように、生命保険信託の特性が活かせるケースは限られているのかもしれません。

そのようなケースは多いとは言えないかもしれません。キャッシュで保険金を一括でもらえた方が良いケースの方が多いのではないでしょうか。

キャッシュで残した方がいいケース、通常の生命保険に加入すればいいケース、キャッシュを不動産に変えた方がメリットがあるケースと様々であり、生命保険信託が使えるケースにおいてのみ生命保険信託を選択すればOKなわけです。
 

選択肢を持っておく

私は生命保険会社の回し者ではありませんので、殊更に生命保険信託をここで勧めたいわけではありません。

相続対策には色々な方法がありますが、一つの手段として、生命保険信託という方法を知っておいても損ではないのではないでしょうか。

生命保険信託はあくまで選択肢の一つです。

相続対策をされたい方のニーズとご状況に合わせて最適な方法をご提案できるようにするためには、多くの選択肢を持っておくことが大事だと思います。
 

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埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
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