2018/05/03

債務(借金)を承継する相続人を指定することができますか?

 

この記事を書いている人 - WRITER -
石川宗徳
埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
得意分野は会社法と相続。会社の相続もご相談ください。
趣味はフットサル(走れない)と将棋(弱い)
好きな食べ物は牡蠣とワッフル(セブン&アイ)
東武動物公園に稀に出没する。
詳しいプロフィールはこちら

プラスの財産は、原則として遺言によって遺言者の自由に承継させることができます。

それではマイナスの財産はどうでしょうか。

このページでは、借金を承継する相続人を遺言者が指定することができるかどうかについて紹介しています。

相続と債務

相続人は被相続人の財産に関する権利義務を承継します(民法896条)。

相続人が承継する被相続人の財産に関する義務には、債務(借金)が含まれますので、被相続人が有していた債務は相続人が承継することになります。

 

相続する債務の法定割合

被相続人の債務は、法定相続分に応じて相続人が承継することになります。

被相続人の債務が1,000万円、法定相続人が配偶者1名と子2名であるときは、配偶者が500万円、子2名がそれぞれ250万円ずつ債務を承継します。

承継した債務は、過払金で完済されない場合や消滅時効の援用、相続放棄(あるいは限定承認)をする場合等を除き、各相続人がそれぞれ債権者へ返済しなければなりません。

 

遺言による債務の相続分の指定

他の相続人より財産を多く承継させる相続人には、その分他の相続人よりも多く債務をさせたい、というニーズがあります。

遺言者は遺言により、相続人が承継する自身の債務の負担割合を変えることができます。

上記の例の場合、1,000万円の債務につき配偶者が全て承継し、子2名は債務は承継しないという遺言を書くことも可能です。

しかし、遺言で指定された債務の負担割合を債権者に対しても主張するのであれば、相続発生後に、下記のとおり債権者の同意が必要となります。

 

債務と遺産分割協議

遺産分割協議によっても、債務の負担割合を法定相続分とは異なるものにすることができます。

上記の例の場合、1,000万円の債務につき配偶者が全て承継し、子2名は債務は承継しないという遺産分割の内容とすることも可能です。

しかし、遺産分割で決定された債務の負担割合を債権者に対しても主張するのであれば、下記のとおり債権者の同意が必要となります。

 

債権者の同意

被相続人の債務の負担割合を、遺言や遺産分割協議によって変更することはできますが、それをそのまま債権者に対しても主張できるわけではありません。

上記の例で、配偶者だけが債務を負うと決めたとしても、配偶者に返済能力がなかった場合に債権者が損をしてしまうからです。

そのため、1,000万円の債務を全て配偶者が相続すると遺言や遺産分割協議によって決まったとしても、債権者は子2名にも250万円ずつ返済の請求をすることが可能です。

法定相続分に応じた負担割合と異なる負担割合を債権者に主張するときは、債権者の同意が必要です。

 

この記事を書いている人 - WRITER -
石川宗徳
埼玉県をこよなく愛する司法書士・相続診断士。汐留司法書士事務所代表。一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター相談員。
得意分野は会社法と相続。会社の相続もご相談ください。
趣味はフットサル(走れない)と将棋(弱い)
好きな食べ物は牡蠣とワッフル(セブン&アイ)
東武動物公園に稀に出没する。
詳しいプロフィールはこちら
 

Copyright© さいたま遺産相続相談.net , 2017 All Rights Reserved.